クレーン・デリック運転士 過去問
令和3年(2021年)4月
問35 (クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 問35)

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問題

クレーン・デリック運転士試験 令和3年(2021年)4月 問35(クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 問35) (訂正依頼・報告はこちら)

物体の運動に関する記述として、適切でないものは次のうちどれか。
  • 等速運動とは、速度が変わらず、どの時刻をとっても同じ速度である運動をいう。
  • 物体が円運動をしているときの遠心力と向心力は、力の大きさが等しく、向きが反対である。
  • 運動の速さと向きを示す量を速度といい、速度の変化の程度を示す量を加速度という。
  • 直線運動している物体には、外部から力が作用しない限り、永久に同一の運動を続けようとする求心力が働いている。
  • 荷をつった状態でジブクレーンのジブを旋回させると、荷は旋回する前の作業半径より大きい半径で回るようになる。

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この過去問の解説 (3件)

01

選択肢1は正しいです。

等速運動をしている物体は、一定の速度で移動を続ける状態であり、加速をすることがない状態で、どの時刻においても速度は不変です。

選択肢2は正しいです。

物体が円運動をしているときは、物体が円の外へ飛び出そうとする遠心力と、物体を円の中心へ向かわせようとする向心力が働きます。

遠心力と向心力は力の大きさが等しく、向きが反対でつり合った状態なため、どちらの方向にも向かわずに円運動をします。

選択肢3は正しいです。

物体が移動する速さに向きが加わった量を速度といい、一定の時間で速度が変化したときの変化量を加速度といいます。

選択肢4は誤りです。

ニュートンの運動法則により、直線運動している物体には、外部から力が作用しない限り、永久に同一の運動を続けようとする慣性力が働いて等速直線運動をします。

選択肢文にある求心力とは、円運動の向心力と同じ意味で、厳密な直線運動には働かないため誤りです。

選択肢5は正しいです。

荷はワイヤロープを経てジブクレーンにつられているため、ジブクレーンのジブを旋回させると、荷とワイヤロープが遠心力を受けます。

そのため、荷は遠心力によって旋回する前の作業半径より大きい半径で回るので、周囲に対して十分な注意が必要です。

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02

物体の運動に関する問題です。

力の三要素同様、力学の中でも基礎的な内容なので、しっかり頭に入れておきましょう。

選択肢1. 等速運動とは、速度が変わらず、どの時刻をとっても同じ速度である運動をいう。

正しい記述です。

等速運動とは、速度が変わらず、どの時刻をとっても同じ速度である運動をいいます。

選択肢2. 物体が円運動をしているときの遠心力と向心力は、力の大きさが等しく、向きが反対である。

正しい記述です。

物体が円運動をしているときの遠心力と向心力は、力の大きさが等しく、向きが反対となります。

そのため安定して回転します。

選択肢3. 運動の速さと向きを示す量を速度といい、速度の変化の程度を示す量を加速度という。

正しい記述です。

運動の速さと向きを示す量を速度といい、速度の変化の程度を示す量を加速度といいます。

選択肢4. 直線運動している物体には、外部から力が作用しない限り、永久に同一の運動を続けようとする求心力が働いている。

直線運動している物体には、外部から力が作用しない限り、永久に同一の運動を続けようとする求心力ではなく慣性が働きます。

選択肢5. 荷をつった状態でジブクレーンのジブを旋回させると、荷は旋回する前の作業半径より大きい半径で回るようになる。

正しい記述です。

荷をつった状態でジブクレーンのジブを旋回させると、荷は遠心力によって旋回する前の作業半径より大きい半径で回るようになります。

まとめ

内容自体はイメージしやすいので、頭の中でどのような動きをするか考えながら解いていきましょう。

参考になった数3

03

クレーン運転士にとって、慣性や遠心力といった「目に見えない力」を理解することは、荷振れや事故を防ぐために非常に重要です。

 

この問題を解くには、以下の物理法則を正しく区別する必要があります。

・慣性の法則:「止まっているものは止まり続け、動いているものは動き続けようとする性質」。

・遠心力:円運動の外側に引っ張られる力。

・求心力(向心力):円運動の中心に向かう力。

 

特に、「物体が動き続けようとする性質」を何と呼ぶか?という定義が、この問題の正誤を分ける鍵となります。

選択肢1. 等速運動とは、速度が変わらず、どの時刻をとっても同じ速度である運動をいう。

× 正しい記述です。

 

文字通り「等しい速度の運動」のことです。 

新幹線が一定のスピードで真っ直ぐ走っているような状態を指します。

速さも向きも変わらず、どの瞬間の速度を測っても同じである運動のことです。

選択肢2. 物体が円運動をしているときの遠心力と向心力は、力の大きさが等しく、向きが反対である。

× 正しい記述です。

 

物体が円運動(回転)をするとき、常に2つの力が釣り合っています。

・遠心力:外側に飛び出そうとする力。

・向心力(求心力):中心に引っ張る力(ワイヤーが引っ張る力など)。 この2つの力は、大きさは同じで、向きは正反対です。だからこそ、物体はどこかに飛んでいかずに、一定の円軌道を描くことができます。

選択肢3. 運動の速さと向きを示す量を速度といい、速度の変化の程度を示す量を加速度という。

× 正しい記述です。

 

物理用語の正しい定義です。

・速度:どの方向に、どれくらいの速さで動いているか(速さと向き)。

・加速度:その速度が、時間とともにどれくらい変化したか(加速したか、減速したか)。 アクセルを踏んでスピードが上がる様子を「加速」と言う通りです。

選択肢4. 直線運動している物体には、外部から力が作用しない限り、永久に同一の運動を続けようとする求心力が働いている。

〇 誤った記述(正解)です。

 

物体が、外部から力を受けない限り、そのままの運動(静止または等速直線運動)を続けようとする性質のことを、「慣性(かんせい)」と言います。

 

記述にある「求心力」は、円運動をする物体を中心へ引っ張る力のことなので、全く別の用語です。

「動き続けようとするのは慣性」と覚えましょう。

選択肢5. 荷をつった状態でジブクレーンのジブを旋回させると、荷は旋回する前の作業半径より大きい半径で回るようになる。

× 正しい記述です。

 

クレーンで荷物を吊って旋回(回転)させると、荷物には外側へ飛び出そうとする「遠心力」が働きます。

そのため、荷物はワイヤーを斜めに引っ張りながら外側へ振れ出します。

結果として、旋回を始める前の作業半径よりも、実際に回っている荷物の半径は大きくなります。

 

これを計算に入れないと、予想外の場所に荷物がぶつかる事故が起きます。

まとめ

【重要ポイントのおさらい】

・慣性:そのままの状態(静止または運動)を続けようとする性質。

・求心力(向心力):円運動の中心へ引っ張る力。

・遠心力:円運動の外側へ飛び出そうとする力。

・旋回時の注意:遠心力で荷物が外へ膨らむ(半径が大きくなる)。

 

「そのまま動き続けようとするのは『慣性』であって、『求心力』ではない」。

用語の入れ替え問題はよく出ますので、この違いを明確にしておきましょう。

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