クレーン・デリック運転士 過去問
令和6年(2024年)4月
問23 (原動機及び電気に関する知識 問3)

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問題

クレーン・デリック運転士試験 令和6年(2024年)4月 問23(原動機及び電気に関する知識 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

クレーンの電動機に関する記述として、適切でないものは次のうちどれか。
  • 巻線形三相誘導電動機は、固定子側、回転子側ともに巻線を用いた構造で、回転子側の巻線はスリップリングを通して外部抵抗と接続するようになっている。
  • かご形三相誘導電動機の回転子は、鉄心の周りに太い導線(バー)がかご形に配置された簡単な構造である。
  • 直流電動機は、一般に、速度制御性能が優れているが、整流子及びブラシの保守が必要である。
  • 巻線形三相誘導電動機では、固定子側を一次側、回転子側を二次側と呼ぶ。
  • 三相誘導電動機の同期速度は、周波数を一定とすれば、極数が少ないほど遅くなる。

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この過去問の解説 (3件)

01

クレーンの電動機に関する問題です。

あまり聞きなれない言葉が出てきますが、この分野もほぼ毎回クレーンの試験では出題されるので、内容を把握しておきましょう。

選択肢1. 巻線形三相誘導電動機は、固定子側、回転子側ともに巻線を用いた構造で、回転子側の巻線はスリップリングを通して外部抵抗と接続するようになっている。

正しい記述です。

巻線形三相誘導電動機は、固定子側、回転子側ともに巻線を用いた構造で、回転子側の巻線はスリップリングを通して外部抵抗と接続するようになっています。

選択肢2. かご形三相誘導電動機の回転子は、鉄心の周りに太い導線(バー)がかご形に配置された簡単な構造である。

正しい記述です。

かご形三相誘導電動機の回転子は、鉄心の周りに太い導線(バー)がかご形に配置された簡単な構造となっています。

選択肢3. 直流電動機は、一般に、速度制御性能が優れているが、整流子及びブラシの保守が必要である。

正しい記述です。

直流電動機は、一般に、速度制御性能が優れているが、整流子及びブラシの保守が必要な構造となっています。

選択肢4. 巻線形三相誘導電動機では、固定子側を一次側、回転子側を二次側と呼ぶ。

正しい記述です。

巻線形三相誘導電動機では、固定子側を一次側、回転子側を二次側と呼びます。

一次側と二次側が逆に出題される事があるので、固定子側を一次側、回転子側を二次側の順番を覚えておきましょう。

選択肢5. 三相誘導電動機の同期速度は、周波数を一定とすれば、極数が少ないほど遅くなる。

三相誘導電動機の同期速度は、周波数を一定とすれば、極数が少ないほど遅くなるのではなく早くなります。

まとめ

クレーンの電動機は実際に実物を見ないとイメージが付きにくいですが、もし機会があれば実物を見てみると理解しやすいかと思います。

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02

この問題はクレーンで使用される電動機(モーター)の種類と特性について問うものです。
それぞれの構造・特性を理解しておくことでメンテナンスやトラブル時の対応力が高まります。
 

選択肢1. 巻線形三相誘導電動機は、固定子側、回転子側ともに巻線を用いた構造で、回転子側の巻線はスリップリングを通して外部抵抗と接続するようになっている。

正しい記述です。
巻線形三相誘導電動機は固定子も回転子も巻線を使用します。
回転側の巻線はスリップリングを通して外部抵抗と接続できます。
これにより始動トルクを調整することができるため
クレーンなど大きなトルクが必要な機械に適しています。

選択肢2. かご形三相誘導電動機の回転子は、鉄心の周りに太い導線(バー)がかご形に配置された簡単な構造である。

正しい記述です。
かご形三相誘導電動機は回転子に太い導線(バース)を鉄心の溝に埋め
両端をリングで短絡させたリス形構造(かご形)です。
構造がシンプルで保守が容易なため広く使用されています。

選択肢3. 直流電動機は、一般に、速度制御性能が優れているが、整流子及びブラシの保守が必要である。

正しい記述です。
直流電動機は速度制御がしやすいという長所がありますが
整流子とブラシの摩耗があるため保守が必要です。
速度制御が滑らかにできることから一部の制御用途には今も使われます。

選択肢4. 巻線形三相誘導電動機では、固定子側を一次側、回転子側を二次側と呼ぶ。

正しい記述です。
巻線形三相誘導電動機では固定子を一次側、回転子を二次側と呼びます。
これは変圧器の概念と似ており電磁誘導でエネルギーを伝達する構造の理解に通じています。

選択肢5. 三相誘導電動機の同期速度は、周波数を一定とすれば、極数が少ないほど遅くなる。

誤った記述です。
同期速度Ns(回転/分)は以下の式で表されます。
 

Ns=120×f/P
(f=周波数(Hs),P=極数)
 

つまり、
・周波数fが一定の場合、極数Pが少ないほど速度は「速くなる」

選択肢では「極数が少ないほど遅くなる」と逆のことを記載してるため誤りです。

まとめ

この問題ではクレーンに使用される電動機の構造・特性・種類についての理解が問われました。
電動機の仕組みを理解することでクレーンのトラブル対処や運転時の安全性がより高まります。

基本知識として押さえておきましょう。

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03

クレーンの心臓部である「電動機(モーター)」に関する問題です。

モーターにはいくつか種類があり、それぞれ得意なことや構造が異なります。

専門用語が多くて難しく見えますが、「どんな形をしているか」「スピードは何で決まるか」という2つのポイントに絞ってイメージすれば、解けるようになります。

選択肢1. 巻線形三相誘導電動機は、固定子側、回転子側ともに巻線を用いた構造で、回転子側の巻線はスリップリングを通して外部抵抗と接続するようになっている。

× 正しい記述です。

 

「巻線形(まきせんがた)」は、動かない外側(固定子)だけでなく、クルクル回る内側(回転子)にもコイル(巻線)が巻かれている、少し複雑なモーターです。

回転する部分に電気をやり取りするため、「スリップリング」という滑り接点を通し、外にある「抵抗器(外部抵抗)」につないでスピードやパワーを細かくコントロールします。

クレーンの巻上げなどによく使われます。

選択肢2. かご形三相誘導電動機の回転子は、鉄心の周りに太い導線(バー)がかご形に配置された簡単な構造である。

× 正しい記述です。

 

「かご形」は、回る部分(回転子)にコイルを巻くのではなく、太いアルミや銅の棒(バー)をハムスターの回し車のような「かごの形」に配置しただけのモーターです。

構造が非常にシンプルで頑丈であり、スリップリングなどの面倒な部品がないため、故障しにくいという素晴らしい特徴を持っています。

選択肢3. 直流電動機は、一般に、速度制御性能が優れているが、整流子及びブラシの保守が必要である。

× 正しい記述です。

 

直流(DC)で動くモーターです。

思い通りにスピードを変えられる「速度制御性能」が非常に優れているというメリットがあります。

しかし、回転部分に電気を送るために「整流子」と「ブラシ」という部品を物理的にこすり合わせているため、すり減ったブラシを定期的に交換する(保守が必要)というデメリットがあります。

選択肢4. 巻線形三相誘導電動機では、固定子側を一次側、回転子側を二次側と呼ぶ。

× 正しい記述です。

 

巻線形三相誘導電動機において、外部から最初に電源(電気)を送り込む動かない外側(固定子側)のことを「一次側」と呼びます。

そして、電磁誘導によって電気が発生し、実際に回転する内側(回転子側)のことを「二次側」と呼びます。

専門用語の基本ルールとして正しい記述です。

選択肢5. 三相誘導電動機の同期速度は、周波数を一定とすれば、極数が少ないほど遅くなる。

〇 誤った記述(正解)です。

 

モーターの理想的な回転スピード(同期速度)は、以下の計算式で決まります。

同期速度 = 120 × 周波数 ÷ 極数

この式からもわかるように、割る数である「極数」が少なければ少ないほど、回転速度は「速く」なります。

選択肢では「極数が少ないほど遅くなる」としているため、関係が逆になっており間違いです。

まとめ

交流モーターの回転スピードは、「周波数(電気の波の数)」と「極数(内部にある磁石の数)」の2つだけで決まります。

特に試験で狙われるのが「極数」と「スピード」の関係です。

極数(磁石のペア)が少ないほど、モーターは身軽になって「速く」回る、という反比例のルールを覚えているかが重要です。

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