クレーン・デリック運転士 過去問
令和2年(2020年)10月
問27 (原動機及び電気に関する知識 問27)

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問題

クレーン・デリック運転士試験 令和2年(2020年)10月 問27(原動機及び電気に関する知識 問27) (訂正依頼・報告はこちら)

クレーンの電動機の始動方法及び速度制御方式に関する記述として、適切でないものは次のうちどれか。
  • かご形三相誘導電動機のインバーター制御は、電源の周波数を固定したまま電流値を変えて電動機に供給し回転数を制御するもので、精度の高い速度制御ができる。
  • 巻線形三相誘導電動機のサイリスター一次電圧制御は、電動機の回転数を検出し、指定された速度と比較しながら制御するため、極めて安定した速度が得られる。
  • 巻線形三相誘導電動機の渦電流ブレーキ制御は、電気的なブレーキであり機械的な摩擦力を利用しないため、消耗部分がなく、制御性も優れている。
  • 直流電動機のワードレオナード制御は、負荷に適した速度特性が自由に得られるが、設備費が極めて高い。
  • かご形三相誘導電動機では、極数変換により速度制御を行う場合は、速度比 2 : 1 の 2 巻線のものが多く用いられる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

1 .誤りです。
かご形三相誘導電動機のインバーター制御は、電源の周波数を変えて速度制御をおこないます。
比較的に安価で、精度の高い速度制御ができることが特徴です。

2 .正しいです。
巻線形三相誘導電動機のサイリスター一次電圧制御は、電動機の回転数を検出し、指定された速度と比較しながら制御するため、極めて安定した速度が得られます。

3 .正しいです。
巻線形三相誘導電動機の渦電流ブレーキ制御は、渦電流による制動力を利用した電気的なブレーキです。
機械的な摩擦力を利用しないため、消耗部分がなく、制御性も優れています。
高価で、大容量電動機には不向きであるといったデメリットがあります。

4 .正しいです。
直流電動機のワードレオナード制御は、負荷に適した速度特性が自由に得ることができます。設備費が極めて高いです。

5 .正しいです。
かご形三相誘導電動機では、極数変換により速度制御を行う場合は、速度比 2 : 1 の 2 巻線のものが多く用いられています。

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02

クレーンの電動機の始動方法及び速度制御方式に関する問題です。

速度制御はブレーキなどにも関わる内容なので、しっかり理解しておきましょう。

選択肢1. かご形三相誘導電動機のインバーター制御は、電源の周波数を固定したまま電流値を変えて電動機に供給し回転数を制御するもので、精度の高い速度制御ができる。

かご形三相誘導電動機のインバーター制御は、電源の周波数を固定したままではなく、周波数や電圧を変えながら電動機に供給する制御となります。

選択肢2. 巻線形三相誘導電動機のサイリスター一次電圧制御は、電動機の回転数を検出し、指定された速度と比較しながら制御するため、極めて安定した速度が得られる。

正しい記述です。

巻線形三相誘導電動機のサイリスター一次電圧制御は、電動機の回転数を検出し、指定された速度と比較しながら制御するため、極めて安定した速度が得られるのが特徴です。

選択肢3. 巻線形三相誘導電動機の渦電流ブレーキ制御は、電気的なブレーキであり機械的な摩擦力を利用しないため、消耗部分がなく、制御性も優れている。

正しい記述です。

巻線形三相誘導電動機の渦電流ブレーキ制御は、電気的なブレーキであり機械的な摩擦力を利用しないため、消耗部分がなく、制御性も優れています。

選択肢4. 直流電動機のワードレオナード制御は、負荷に適した速度特性が自由に得られるが、設備費が極めて高い。

正しい記述です。

直流電動機のワードレオナード制御は、負荷に適した速度特性が自由に得られるが、設備費が極めて高いです。

他にはサイリスタレオナード制御と呼ばれる設備は小型で多くのクレーンで用いられています。

選択肢5. かご形三相誘導電動機では、極数変換により速度制御を行う場合は、速度比 2 : 1 の 2 巻線のものが多く用いられる。

正しい記述です。

かご形三相誘導電動機では、極数変換により速度制御を行う場合は、速度比2:1の2巻線のものが多く用いられます。

この比率は押さえておきましょう。

まとめ

制御によってそれぞれ特徴が異なるので、どのような制御が作業を行うクレーンに適しているか正しく理解しておきましょう。

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03

この問題は、電気の専門用語が多く、受験者が最も苦手とする分野の一つです。

 

この問題の最大の鍵は、今やクレーン制御の主流である「インバーター制御」の仕組みを正しく理解しているかです。

 

インバーター制御「周波数(Hz)」と「電圧(V)」の両方を変えて速度をコントロールする方式です。

 

もし「周波数を固定したまま」と書いてあったら、それはインバーターの説明ではありません。

この一点に気づくだけで、正解が見えてきます。

選択肢1. かご形三相誘導電動機のインバーター制御は、電源の周波数を固定したまま電流値を変えて電動機に供給し回転数を制御するもので、精度の高い速度制御ができる。

〇 誤った記述(正解)です。

 

インバーター制御とは、交流の「周波数(Hz)」を変えることで、モーターの回転数を自在に操る技術です(ついでに電圧も調整します)。 

 

選択肢にある「電源の周波数を固定したまま電流値を変えて」というのは、インバーターの説明としては完全に間違いです。

「インバーター = 周波数変換装置」と覚えておけば、一発で見抜けます。

選択肢2. 巻線形三相誘導電動機のサイリスター一次電圧制御は、電動機の回転数を検出し、指定された速度と比較しながら制御するため、極めて安定した速度が得られる。

× 正しい記述です。

 

サイリスター(半導体素子)を使って電圧を調整する方式です。

 

この方式の大きな特徴は、常に「今どれくらいの速度か?」をセンサーで監視し(フィードバック)、目標の速度とズレていたら自動で修正することです。

そのため、非常に安定した速度制御が可能です。

これを「フィードバック制御」とも呼びます。

選択肢3. 巻線形三相誘導電動機の渦電流ブレーキ制御は、電気的なブレーキであり機械的な摩擦力を利用しないため、消耗部分がなく、制御性も優れている。

× 正しい記述です。

 

磁石の力でブレーキをかける方式です。

 

物理的なブレーキパッド(摩擦材)を押し付けるのではなく、磁気的な反発力(渦電流)を利用してブレーキをかけます。

部品同士が接触しないので摩耗(すり減り)がなく、メンテナンスが楽で、滑らかなブレーキ操作ができる優れた制御方式です。

選択肢4. 直流電動機のワードレオナード制御は、負荷に適した速度特性が自由に得られるが、設備費が極めて高い。

× 正しい記述です。

 

直流モーターを使う、非常に高性能な制御方式です。

 

速度調整が自由自在で、超低速から高速までスムーズに動かせます。

しかし、モーターを動かすために専用の発電機セットが必要になるなど、装置が非常に大掛かりになります。

 

性能は最高ですが、設備費が極めて高いため、最近はインバーターに取って代わられつつあります。

選択肢5. かご形三相誘導電動機では、極数変換により速度制御を行う場合は、速度比 2 : 1 の 2 巻線のものが多く用いられる。

× 正しい記述です。

 

かご形モーター(安くて丈夫なモーター)の速度を変えるためのシンプルな方法です。

 

スイッチ一つで極数(ポール数)を切り替えることで、「高速」と「低速」の2段階に変速できます。

一般的に、速度比が2:1(例:高速が低速の2倍)になるように巻線が組まれています。

微調整はできませんが、安価で確実な方法です。

まとめ

【重要ポイントのおさらい】

・インバーター制御周波数(Hz)を変えて速度を変える。(「周波数固定」は×)

・渦電流ブレーキ:磁気の力で止める。摩耗しない

・ワードレオナード:性能は最高だが、高すぎる

・極数変換2対1の2段変速。(かご形モーター用)

 

「インバーターは周波数!」このキーワードだけは絶対に忘れないでください。

これだけで多くの問題が解けるようになります。

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