クレーン・デリック運転士 過去問
令和3年(2021年)10月
問34 (クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 問34)

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問題

クレーン・デリック運転士試験 令和3年(2021年)10月 問34(クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 問34) (訂正依頼・報告はこちら)

均質な材料でできた固体の物体及び荷の重心に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
  • 複雑な形状の物体の重心は、二つ以上の点になる場合があるが、重心の数が多いほどその物体の安定性は良くなる。
  • 重心の位置が物体の外部にある物体であっても、置き方を変えると重心の位置が物体の内部に移動する場合がある。
  • 長尺の荷をクレーンでつり上げるため、目安で重心位置を定めてその真上にフックを置き、玉掛けを行い、地切り直前まで少しだけつり上げたとき、荷が傾いた場合は、荷の実際の重心位置は目安とした重心位置よりも傾斜の低い側にある。
  • 水平面上に置いた直方体の物体を傾けた場合、重心からの鉛直線がその物体の底面を外れるときは、その物体は元に戻る。
  • 直方体の物体の置き方を変える場合、重心の位置が高くなるほど安定性は良くなる。

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この過去問の解説 (3件)

01

答えは(3)です。

解説

1.「複雑な形状の物体の重心は、二つ以上の点になる場合があるが、重心の数が多いほどその物体の安定性は良くなる。」は誤りです

重心は一つの物体につき、一つしか存在しません。

したがって、二つ以上の点になる場合はありません。

2.「重心の位置が物体の外部にある物体であっても、置き方を変えると重心の位置が物体の内部に移動する場合がある。」は誤りです

物体の位置や置き方が替わっても重心の位置は変わりません

したがって、置き方を変えると重心の位置が物体の内部に移動する場合はありません。

3.「長尺の荷をクレーンでつり上げるため、目安で重心位置を定めてその真上にフックを置き、玉掛けを行い、地切り直前まで少しだけつり上げたとき、荷が傾いた場合は、荷の実際の重心位置は目安とした重心位置よりも傾斜の低い側にある。」は正しいです。

4.「水平面上に置いた直方体の物体を傾けた場合、重心からの鉛直線がその物体の底面を外れるときは、その物体は元に戻る。」は誤りです

水平面上に置いた直方体の物体を傾けた場合、重心からの鉛直線がその物体の底面を外れるときは、その物体は元に戻らないで転倒します

これは重心に働く重力が物体と水平面の接点を支点として外側に回転してしまうためです。

5.「直方体の物体の置き方を変える場合、重心の位置が高くなるほど安定性は良くなる。」は誤りです

重心位置が高くなるほど,少ない傾きで重心からの鉛直線がその物体の底面を外れ、転倒してします。

したがって、直方体の物体の置き方を変える場合、重心の位置が高くなるほど安定性は悪くなります

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02

荷の重心に関する問題です。

目の前に箱をイメージして、それがどのような動きをするか考えると解きやすいです。

選択肢1. 複雑な形状の物体の重心は、二つ以上の点になる場合があるが、重心の数が多いほどその物体の安定性は良くなる。

どのような物体でも重心は常に1つです。

選択肢2. 重心の位置が物体の外部にある物体であっても、置き方を変えると重心の位置が物体の内部に移動する場合がある。

置き方を変えても重心が動く事はありません。

選択肢3. 長尺の荷をクレーンでつり上げるため、目安で重心位置を定めてその真上にフックを置き、玉掛けを行い、地切り直前まで少しだけつり上げたとき、荷が傾いた場合は、荷の実際の重心位置は目安とした重心位置よりも傾斜の低い側にある。

正しい記述です。

長尺の荷をクレーンでつり上げるため、目安で重心位置を定めてその真上にフックを置き、玉掛けを行い、地切り直前まで少しだけつり上げたとき、荷が傾いた場合は、荷の実際の重心位置は目安とした重心位置よりも傾斜の低い側となります。

選択肢4. 水平面上に置いた直方体の物体を傾けた場合、重心からの鉛直線がその物体の底面を外れるときは、その物体は元に戻る。

水平面上に置いた直方体の物体を傾けた場合、重心からの鉛直線がその物体の底面を外れるときは、その物体は元に戻るのではなく倒れます。

選択肢5. 直方体の物体の置き方を変える場合、重心の位置が高くなるほど安定性は良くなる。

直方体の物体の置き方を変える場合、重心の位置が高くなるほど安定性は良くなるのではなく、低くなるほど安定するようになります。

まとめ

重心は常に1つであり、動く事はありません。

この点だけは押さえておきましょう。

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03

クレーン作業において「重心」を正しく理解することは、荷崩れや転倒事故を防ぐために必要です。

重心がどこにあるか、どうすれば安定するか、この感覚を養いましょう。

 

この問題を解くには、以下の「重心の3つのルール」を理解する必要があります。

 ・重心は一点のみ:どんな複雑な形でも、重さの中心(重心)は一つしかありません。

 ・重心は動かない:物体の形が変わらない限り、置き方を変えても、物体の中での重心の位置(座標)は変わりません。

 ・低い側にある:吊り上げた時に荷物が傾いたら、下がった方(低い方)に実際の重心があります。

選択肢1. 複雑な形状の物体の重心は、二つ以上の点になる場合があるが、重心の数が多いほどその物体の安定性は良くなる。

× 誤った記述です。

 

どんなに複雑な形の物体であっても、重心はただ一つしかありません。

「重心が2つある」ということは物理的にあり得ません。

選択肢2. 重心の位置が物体の外部にある物体であっても、置き方を変えると重心の位置が物体の内部に移動する場合がある。

× 誤った記述です。

 

重心の位置というのは、その物体にとって固有の場所です。

ドーナツや曲がったパイプのように、重心が「物体の外(何もない空間)」にある場合、どう置き方を変えても、重心の位置はその空間(空洞部分)にあるままです。

置き方を変えたからといって、物体の中身(鉄やコンクリートの部分)に移動することはありません。

選択肢3. 長尺の荷をクレーンでつり上げるため、目安で重心位置を定めてその真上にフックを置き、玉掛けを行い、地切り直前まで少しだけつり上げたとき、荷が傾いた場合は、荷の実際の重心位置は目安とした重心位置よりも傾斜の低い側にある。

〇 正しい記述です。

 

クレーンで荷物を吊り上げたとき、フックの真下に重心が来るように自然と動きます。

もし、予想した位置よりも実際の重心が右側にあった場合、吊り上げると右側が重いので「右下がり」に傾きます。

つまり、傾いたときの下がっている側(低い側)に、本当の重心があるということです。

現場での玉掛け修正の基本テクニックです。

選択肢4. 水平面上に置いた直方体の物体を傾けた場合、重心からの鉛直線がその物体の底面を外れるときは、その物体は元に戻る。

× 誤った記述です。

 

物体を傾けていったとき、重心から真下に下ろした線(鉛直線)が、底面の範囲から外れてしまうと、物体は倒れます

「元の位置に戻る」のは、まだ鉛直線が底面の範囲内に収まっているときだけです。

底面を外れたら、もう戻ってきません。

選択肢5. 直方体の物体の置き方を変える場合、重心の位置が高くなるほど安定性は良くなる。

× 誤った記述です。

 

物体の安定性は、「底面積が広いほど」そして「重心が低いほど」良くなります。

重心の位置が高くなればなるほど、少し傾けただけで重心の線が底面から外れやすくなるため、安定性は悪くなります。

スポーツカー(重心が低い)と背の高いトラック(重心が高い)のどちらが倒れにくいかを想像すれば分かります。

まとめ

【重要ポイントのおさらい】

重心は一つ:どんな形でも一つだけ。

吊り荷の傾き:下がった方(低い方)に重心がある。

転倒条件:重心からの線が底面を外れたら倒れる。

安定性:重心が低いほど安定する。(高いと不安定)

 

「吊ってみて傾いたら、下がっている方に重心が寄っている」。

これは非常に実践的な知識です。

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