クレーン・デリック運転士 過去問
令和3年(2021年)10月
問35 (クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 問35)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

クレーン・デリック運転士試験 令和3年(2021年)10月 問35(クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 問35) (訂正依頼・報告はこちら)

物体の運動に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
  • 物体が円運動をしているときの遠心力と向心力は、力の大きさが等しく、向きが反対である。
  • 物体が一定の加速度で加速し、その速度が10秒間に10m/sから35m/sになったときの加速度は、25m/s2である。
  • 等速直線運動をしている物体の移動した距離をL、その移動に要した時間をTとすれば、その速さVは、V = L × Tで求められる。
  • 運動している物体には、外部から力が作用しない限り、静止している状態に戻ろうとする性質があり、この性質を慣性という。
  • 物体が円運動をしているとき、遠心力は、物体の質量が大きいほど小さくなる。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

答えは(1)です。

解説

1.「物体が円運動をしているときの遠心力と向心力は、力の大きさが等しく、向きが反対である。」は正しいです。

2.「物体が一定の加速度で加速し、その速度が10秒間に10m/sから35m/sになったときの加速度は、25m/s2である。」は誤りです

加速度=(35-10(m/s))÷(10(s))=2.5m/s2

したがって25m/s2ではありません。

3.「等速直線運動をしている物体の移動した距離をL、その移動に要した時間をTとすれば、その速さVは、V = L × Tで求められる。」は誤りです

速さVは、V= L÷Tで求められます。

したがってV = L × Tではありません。

4.「運動している物体には、外部から力が作用しない限り、静止している状態に戻ろうとする性質があり、この性質を慣性という。」は誤りです

運動している物体には、外部から力が作用しない限り、常に現在の運動状態を保とうとする性質があり、この性質を慣性といいます。

5.「物体が円運動をしているとき、遠心力は、物体の質量が大きいほど小さくなる。」は誤りです

半径r mの円上を、速度v m/s、質量m kgで等速円運動している物体がある時、遠心力は以下の式で表されます。

遠心力=mrω2

したがって遠心力は物体の質量mが大きいほど大きくなることがわかります。

参考になった数16

02

物体の運動に関する問題です。

力学の理屈に関する内容ですが、どれも基本的な内容なので、確実に押さえておきましょう。

選択肢1. 物体が円運動をしているときの遠心力と向心力は、力の大きさが等しく、向きが反対である。

正しい記述です。

物体が円運動をしているときの遠心力と向心力は、力の大きさが等しく、向きが反対になります。

そのため、安定して回転します。

選択肢2. 物体が一定の加速度で加速し、その速度が10秒間に10m/sから35m/sになったときの加速度は、25m/s2である。

物体が一定の加速度で加速し、その速度が10秒間に10m/sから35m/sになったときの加速度は、25m/s2ではなく、2.5m/s2となります。

(35-10)÷10秒=2.5

選択肢3. 等速直線運動をしている物体の移動した距離をL、その移動に要した時間をTとすれば、その速さVは、V = L × Tで求められる。

等速直線運動をしている物体の移動した距離をL、その移動に要した時間をTとすれば、その速さVは、V=L×TではなくL÷Tで求めます。

逆に覚えないように注意してください。

選択肢4. 運動している物体には、外部から力が作用しない限り、静止している状態に戻ろうとする性質があり、この性質を慣性という。

運動している物体には、外部から力が作用しない限り、静止している状態に戻ろうとする性質ではなく、同じ運動をし続けようとする性質があり、それを慣性といいます。

選択肢5. 物体が円運動をしているとき、遠心力は、物体の質量が大きいほど小さくなる。

物体が円運動をしているとき、遠心力は、物体の質量が大きいほど小さくなるのではなく、大きくなります。

重たいものを回すと勢いが強くなります。

まとめ

この問題自体力学の内容ですが最低限、速さと時間、道のりの公式だけは忘れないようにして下さい。

参考になった数2

03

クレーン運転士にとって、速度や加速度、遠心力といった「動きの法則」を理解することは、荷振れや事故を防ぐために非常に重要です。数式も出てきますが、直感的に理解できるよう解説します。

 

この問題を解くには、以下の物理法則を正しく区別する必要があります。

 ・円運動の力:回っている物体には、外に引っ張られる力(遠心力)と、中に引っ張る力(向心力)が同時に働いています。

 ・加速度の計算:「1秒間にどれだけスピードアップしたか?」

 ・速さの計算:「距離 ÷ 時間」(おなじみの「はじき」の法則)

 ・慣性の法則:「動き続けようとする性質」か「止まろうとする性質」か?

 

特に、「円運動をしている物体にかかる2つの力」の関係性が、この問題の正解を見抜く鍵となります。

選択肢1. 物体が円運動をしているときの遠心力と向心力は、力の大きさが等しく、向きが反対である。

〇 正しい記述です。

 

物体が円運動(回転)をするとき、常に2つの力が釣り合っています。

 ・遠心力:外側に飛び出そうとする力。

 ・向心力(求心力):中心に引っ張る力(ワイヤーが引っ張る力など)。

 

この2つの力は、大きさは同じで、向きは正反対です。

だからこそ、物体はどこかに飛んでいかずに、一定の円軌道を描くことができます。

選択肢2. 物体が一定の加速度で加速し、その速度が10秒間に10m/sから35m/sになったときの加速度は、25m/s2である。

× 誤った記述です。

 

加速度とは、「1秒あたりにどれだけ速度が変化したか」です。

変化した速度:35−10=25m/s

かかった時間:10秒

加速度 = 25÷10=2.5m/s2

「25m/s²」ではありません。

単に引き算をしただけの数値は加速度ではありません。

選択肢3. 等速直線運動をしている物体の移動した距離をL、その移動に要した時間をTとすれば、その速さVは、V = L × Tで求められる。

× 誤った記述です。

 

小学校で習う「は・じ・き(速さ・時間・距離)」の公式を思い出してください。

速さ(V)は、距離(L)を時間(T)で「割って」求めます。

 

V=L÷T

 

選択肢にある「V=L×T(掛け算)」は間違いです。これでは時間が経つほど速さが爆発的に増えてしまいます。

選択肢4. 運動している物体には、外部から力が作用しない限り、静止している状態に戻ろうとする性質があり、この性質を慣性という。

× 誤った記述です。

 

慣性とは、「現在の状態を維持しようとする性質」のことです。

 ・止まっているものは、止まり続けようとする。

 ・動いているものは、動き続けようとする。(ここが重要!)

 

「静止している状態に戻ろうとする」というのは間違いです。

宇宙空間でボールを投げたら、力が働かない限り永遠に飛び続けるのが「慣性」です。

選択肢5. 物体が円運動をしているとき、遠心力は、物体の質量が大きいほど小さくなる。

× 誤った記述です。

 

遠心力の大きさは、以下の要素で決まります。

 ・質量(重さ):重いほど大きい

 ・速度:速いほど大きい(2乗に比例)。

 ・半径:小さい(急カーブ)ほど大きい。

 

重いトラックがカーブで外に膨らみやすいように、質量が大きいほど遠心力は「大きく」なります。

「小さくなる」という記述は逆です。

まとめ

【重要ポイントのおさらい】

・円運動:外への「遠心力」と内への「向心力」が釣り合っている。(大きさ同じ、向き逆)

・加速度:速度の変化量 ÷ 時間。

・速さ:距離 ÷ 時間。(割り算!)

・慣性:動き続けようとする性質。(勝手に止まろうとする性質ではない)

・遠心力の大きさ:重いほど、速いほど、カーブがきついほど大きくなる

 

「回っている物体は、内側と外側で綱引きをしている(力が釣り合っている)」。

このイメージを持てば、円運動の理屈がすんなり入ってきます。

参考になった数0