クレーン・デリック運転士 過去問
令和5年(2023年)4月
問10 (クレーン及びデリックに関する知識 問10)

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問題

クレーン・デリック運転士試験 令和5年(2023年)4月 問10(クレーン及びデリックに関する知識 問10) (訂正依頼・報告はこちら)

デリックの取扱いに関する記述として、適切でないものは次のうちどれか。
  • みぞ付きでないドラムにワイヤロープを重ね巻きにするデリックは、ワイヤロープのフリートアングルが制限されている。
  • 巻過防止装置を備えていないデリックは、巻過警報装置を取り付けるか、巻上げ用ワイヤロープに目印を付けて巻過ぎを防止する。
  • 巻下げのとき、ドラムをフリーにして、ブレーキだけで速度を制御するデリックの場合は、急ブレーキによる衝撃を避けるため、慎重な運転操作が求められる。
  • ウインチを用いるデリックでは、作業中に停電になったときは、止め金を外し、クラッチをつなぎ、スイッチを切って通電を待つ。
  • 旋回するブームを有するデリックは、旋回範囲の限界を超えて旋回させると、旋回用ワイヤロープの切断などの事故を引き起こす。

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この過去問の解説 (3件)

01

デリック(Derrick)の運用における安全対策や操作方法について、正しいかどうかを問う問題です。以下に各選択肢について解説し、適切でない記述を特定します。

選択肢1. みぞ付きでないドラムにワイヤロープを重ね巻きにするデリックは、ワイヤロープのフリートアングルが制限されている。

この記述は正しいです。
みぞ付きでないドラムにワイヤロープを重ね巻きする場合、ワイヤロープの「フリートアングル」(ワイヤロープの側方向の角度)が制限されます。フリートアングルが大きすぎるとワイヤロープがドラムから外れる恐れがあるため、制限が必要です。

選択肢2. 巻過防止装置を備えていないデリックは、巻過警報装置を取り付けるか、巻上げ用ワイヤロープに目印を付けて巻過ぎを防止する。

この記述は正しいです。

巻過防止装置が備わっていないデリックでは、巻過警報装置を取り付けたり、巻上げ用ワイヤロープに目印を付けるなどの措置を講じて巻過ぎを防止します。この記述は適切です。

選択肢3. 巻下げのとき、ドラムをフリーにして、ブレーキだけで速度を制御するデリックの場合は、急ブレーキによる衝撃を避けるため、慎重な運転操作が求められる。

この記述は正しいです。 

巻下げの際にドラムをフリーにし、ブレーキだけで速度を制御する場合、急ブレーキによる衝撃を避けるため、 慎重な運転操作が求められます。この記述も適切です。

選択肢4. ウインチを用いるデリックでは、作業中に停電になったときは、止め金を外し、クラッチをつなぎ、スイッチを切って通電を待つ。

この記述は誤りです。
ウインチを用いるデリックで停電が発生した場合、止め金を外してはいけません。止め金を外すと荷が落下する危険があります。安全を確保するためには、クラッチを切り、荷を確実に固定した状態で、停電復旧を待つ必要があります。この記述は不適切です。

選択肢5. 旋回するブームを有するデリックは、旋回範囲の限界を超えて旋回させると、旋回用ワイヤロープの切断などの事故を引き起こす。

この記述は正しいです。
旋回するブームを持つデリックでは、旋回範囲の限界を超えると旋回用ワイヤロープの切断や構造部材の破損が起こる可能性があります。そのため、旋回範囲の管理は重要です。この記述は適切です。

まとめ

適切でない記述は選択肢4です。 ウインチを用いるデリックで停電時に「止め金を外し、クラッチをつなぐ」という操作は非常に危険であり、安全対策としては不適切です。他の選択肢はすべて正しい記述です。

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02

デリックの取扱いに関する問題です。

デリックの取扱いを正しく理解しないと、正常な運転ができないので、しっかり覚えましょう。

選択肢1. みぞ付きでないドラムにワイヤロープを重ね巻きにするデリックは、ワイヤロープのフリートアングルが制限されている。

正しい記述です。

みぞ付きでないドラムにワイヤロープを重ね巻きにするデリックは、ワイヤロープのフリートアングルが制限されています。

選択肢2. 巻過防止装置を備えていないデリックは、巻過警報装置を取り付けるか、巻上げ用ワイヤロープに目印を付けて巻過ぎを防止する。

正しい記述です。

巻過防止装置を備えていないデリックは、巻過警報装置を取り付けるか、巻上げ用ワイヤロープに目印を付けて巻過ぎを防止します。

目視で確認できるので、この手法が取り入られています。

選択肢3. 巻下げのとき、ドラムをフリーにして、ブレーキだけで速度を制御するデリックの場合は、急ブレーキによる衝撃を避けるため、慎重な運転操作が求められる。

正しい記述です。

巻下げのとき、ドラムをフリーにして、ブレーキだけで速度を制御するデリックの場合は、急ブレーキによる衝撃を避けるため、慎重な運転操作が求められます。

選択肢4. ウインチを用いるデリックでは、作業中に停電になったときは、止め金を外し、クラッチをつなぎ、スイッチを切って通電を待つ。

ウインチを用いるデリックでは、作業中に停電になったときは、止め金を外すのではなく、止め金を掛けてからクラッチを外して通電を待ちます。

選択肢5. 旋回するブームを有するデリックは、旋回範囲の限界を超えて旋回させると、旋回用ワイヤロープの切断などの事故を引き起こす。

正しい記述です。

旋回するブームを有するデリックは、旋回範囲の限界を超えて旋回させると、旋回用ワイヤロープの切断などの事故を引き起こす可能性があるので、絶対に超えてはいけません。

まとめ

特に停電になった時の対処法について問われる事が多いので、覚えておきましょう。

参考になった数3

03

デリックは単純な構造ゆえに、運転士の技量や注意力が安全に直結する機械です。

特に停電時などの非常時対応は、間違えると大事故につながります。

 

この問題を解く鍵は、「停電時の正しい処置」です。

荷物を吊っている最中に電気が消えたらモーターのブレーキが効かなくなって、荷物がズルズル落ちてくるかもしれません。

それを防ぐための「止め金(ラチェット)」の役割を理解しているかが重要です。

選択肢1. みぞ付きでないドラムにワイヤロープを重ね巻きにするデリックは、ワイヤロープのフリートアングルが制限されている。

× 正しい記述です。

 

フリートアングルとは、ドラムからシーブへ向かうワイヤロープの「角度(斜め具合)」のことです。

みぞ(グルーブ)のない平らなドラムにワイヤを重ね巻きする場合、この角度がきついと、ワイヤが綺麗に整列せず、乱巻きになったり崩れたりしてしまいます。

そのため、スムーズに巻くためにフリートアングルは厳しく制限されています。

選択肢2. 巻過防止装置を備えていないデリックは、巻過警報装置を取り付けるか、巻上げ用ワイヤロープに目印を付けて巻過ぎを防止する。

× 正しい記述です。

 

デリックには、クレーンのように自動で止まる「巻過防止装置」が付いていないものがあります。

その場合、フックを巻き上げすぎて衝突させる事故を防ぐために、以下のどちらかの対策が必要です。

・巻過警報装置:ブザーなどで知らせる装置を付ける。

・目印:ワイヤロープにテープなどを巻き、「ここが見えたらストップ」という目印を付ける。

これは法令でも認められている代替措置です。

選択肢3. 巻下げのとき、ドラムをフリーにして、ブレーキだけで速度を制御するデリックの場合は、急ブレーキによる衝撃を避けるため、慎重な運転操作が求められる。

× 正しい記述です。

 

デリックの中には、クラッチを切ってドラムをフリー(空転状態)にし、重力で荷物を下ろすタイプがあります。

この時、落下速度をコントロールするのは「足ブレーキ」だけです。

もし急激にブレーキを踏むと、ワイヤロープに強烈な衝撃荷重がかかり、ロープが切れたりブームが折れたりする危険があります。

そのため、極めて慎重な操作が求められます。

選択肢4. ウインチを用いるデリックでは、作業中に停電になったときは、止め金を外し、クラッチをつなぎ、スイッチを切って通電を待つ。

〇 誤った記述(正解)です。

 

作業中に停電になった場合、最も恐れるべきは「荷物の落下」です。

ウインチには、逆転防止のための「止め金(ラチェット・ポール)」が付いています。

停電時は、ブレーキが緩んで荷が下がらないように、止め金を「掛ける(効かせる)」のが正解です。

記述にある「止め金を外し」てしまったら、荷物の重みでドラムが逆回転し、荷物が落下してしまいます。

選択肢5. 旋回するブームを有するデリックは、旋回範囲の限界を超えて旋回させると、旋回用ワイヤロープの切断などの事故を引き起こす。

× 正しい記述です。

 

スチフレッグデリックなどの一部のデリックには、構造上の旋回限界(例:240度まで)があります。

これを無視して無理やり旋回させようとすると、ブームがステー(支柱)に激突したり、旋回用のワイヤロープが無理に引っ張られて切断したりする重大事故につながります。

まとめ

【重要ポイント】

停電時:荷が落ちないよう、止め金(ラチェット)を掛ける。(外してはダメ!)

フリートアングル:角度がきついと綺麗に巻けないので制限がある。

巻過防止:ない場合は警報か目印で対応する。

フリー降下:急ブレーキ厳禁。

 

「停電したら、荷物が落ちないようにロック(止め金)をかける」。

これは直感的にも理解しやすい安全動作です。逆をやると大事故です。

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