クレーン・デリック運転士 過去問
令和6年(2024年)10月
問27 (原動機及び電気に関する知識 問7)

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問題

クレーン・デリック運転士試験 令和6年(2024年)10月 問27(原動機及び電気に関する知識 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

クレーンの三相誘導電動機の速度制御方式などに関する記述として、適切でないものは次のうちどれか。
  • 巻線形三相誘導電動機の渦電流ブレーキ制御は、電気的なブレーキであり機械的な摩擦力を利用しないため、摩擦による消耗部分がなく、制御性も優れている。
  • 電動油圧押上機ブレーキ制御は、速度制御用に設置した電動油圧押上機ブレーキの操作電源を電動機の二次側回路に接続し、制動力を制御するもので、巻下げ時に電動機の回転速度が遅くなれば制動力を小さくするように自動的に調整し、安定した低速運転を行うものである。
  • かご形三相誘導電動機で、電源電圧を直接電動機の端子にかけて始動させることを全電圧始動という。
  • 巻線形三相誘導電動機の二次抵抗制御は、固定子の巻線に接続した抵抗器の抵抗値を変化させて速度制御するもので、始動時に緩始動ができる。
  • かご形三相誘導電動機では、電源回路に抵抗器、リアクトル、サイリスターなどを挿入し、電動機の始動電流を抑えて、緩始動を行う方法がある。

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この過去問の解説 (3件)

01

クレーンの三相誘導電動機の速度制御方式などに関する問題です。

ブレーキ制御に関する内容も含まれるので、しっかり理解しておきましょう。

選択肢1. 巻線形三相誘導電動機の渦電流ブレーキ制御は、電気的なブレーキであり機械的な摩擦力を利用しないため、摩擦による消耗部分がなく、制御性も優れている。

正しい記述です。

巻線形三相誘導電動機の渦電流ブレーキ制御は、電気的なブレーキであり機械的な摩擦力を利用しないため、摩擦による消耗部分がなく、制御性も優れています。

 

選択肢2. 電動油圧押上機ブレーキ制御は、速度制御用に設置した電動油圧押上機ブレーキの操作電源を電動機の二次側回路に接続し、制動力を制御するもので、巻下げ時に電動機の回転速度が遅くなれば制動力を小さくするように自動的に調整し、安定した低速運転を行うものである。

正しい記述です。

電動油圧押上機ブレーキ制御は、速度制御用に設置した電動油圧押上機ブレーキの操作電源を電動機の二次側回路に接続し、制動力を制御するもので、巻下げ時に電動機の回転速度が遅くなれば制動力を小さくするように自動的に調整し、安定した低速運転を行うものとなります。

低速運動が出来ないと操作が危険になるので、重要な制御となります。

選択肢3. かご形三相誘導電動機で、電源電圧を直接電動機の端子にかけて始動させることを全電圧始動という。

正しい記述です。

かご形三相誘導電動機で、電源電圧を直接電動機の端子にかけて始動させることを全電圧始動といいます。

 

選択肢4. 巻線形三相誘導電動機の二次抵抗制御は、固定子の巻線に接続した抵抗器の抵抗値を変化させて速度制御するもので、始動時に緩始動ができる。

巻線形三相誘導電動機の二次抵抗制御は、固定子の巻線ではなく、回転子の巻線に接続した抵抗器の抵抗値を変化させて速度制御するものとなります。

選択肢5. かご形三相誘導電動機では、電源回路に抵抗器、リアクトル、サイリスターなどを挿入し、電動機の始動電流を抑えて、緩始動を行う方法がある。

正しい記述です。

かご形三相誘導電動機では、電源回路に抵抗器、リアクトル、サイリスターなどを挿入し、電動機の始動電流を抑えて、緩始動を行う方法があります。

構造的には電動機の中では簡単な部類に入ります。

まとめ

特に巻線形三相誘導電動機の二次抵抗制御に関する問題が出題される事が多いので、頭に入れておきましょう。

参考になった数21

02

速度制御には二次抵抗制御によるものや

様々なブレーキによる制御があります。

選択肢1. 巻線形三相誘導電動機の渦電流ブレーキ制御は、電気的なブレーキであり機械的な摩擦力を利用しないため、摩擦による消耗部分がなく、制御性も優れている。

正しいです。

小容量の巻き下げ用に使用されることが多いです。

選択肢2. 電動油圧押上機ブレーキ制御は、速度制御用に設置した電動油圧押上機ブレーキの操作電源を電動機の二次側回路に接続し、制動力を制御するもので、巻下げ時に電動機の回転速度が遅くなれば制動力を小さくするように自動的に調整し、安定した低速運転を行うものである。

正しいです。

 

選択肢3. かご形三相誘導電動機で、電源電圧を直接電動機の端子にかけて始動させることを全電圧始動という。

正しいです。

始動時の負荷電流が大きいので

小容量の電動機に用いられます。

選択肢4. 巻線形三相誘導電動機の二次抵抗制御は、固定子の巻線に接続した抵抗器の抵抗値を変化させて速度制御するもので、始動時に緩始動ができる。

誤りです。

回転子の巻線に接続した抵抗器の抵抗値を変化させて速度制御するものです。

選択肢5. かご形三相誘導電動機では、電源回路に抵抗器、リアクトル、サイリスターなどを挿入し、電動機の始動電流を抑えて、緩始動を行う方法がある。

正しいです。

まとめ

近年はインバーター制御によるものが増えてきています。

インバーター制御の仕組みも覚えておきましょう。

参考になった数9

03

「クレーンの電動機の速度制御方式」に関する問題です。

「モーターの構造の名前(一次と二次、固定子と回転子)」という基本ルールを覚えましょう。

選択肢1. 巻線形三相誘導電動機の渦電流ブレーキ制御は、電気的なブレーキであり機械的な摩擦力を利用しないため、摩擦による消耗部分がなく、制御性も優れている。

× 正しい記述です。

 

渦電流(うずでんりゅう)ブレーキは、磁石の力(電磁誘導)を利用してブレーキをかける仕組みです。

自動車のブレーキパッドのような「機械的な摩擦(こすれ合い)」を使わないため、部品がすり減らず、非常に滑らかで優れた制御が可能です。

選択肢2. 電動油圧押上機ブレーキ制御は、速度制御用に設置した電動油圧押上機ブレーキの操作電源を電動機の二次側回路に接続し、制動力を制御するもので、巻下げ時に電動機の回転速度が遅くなれば制動力を小さくするように自動的に調整し、安定した低速運転を行うものである。

× 正しい記述です。

 

少し難しく聞こえますが、これはモーターの回転子(二次側)から発生する電気の変化を利用して、ブレーキの強さを「自動調整」する賢い仕組み(CF制御などと呼ばれます)です。

荷物を下ろす時、速度が遅くなりすぎたらブレーキを少し緩め、速くなりすぎたらブレーキを強くして、一定のゆっくりとした速度をキープしてくれます。

選択肢3. かご形三相誘導電動機で、電源電圧を直接電動機の端子にかけて始動させることを全電圧始動という。

× 正しい記述です。

 

モーターに特別な装置を挟まず、電源の電圧(100%の力)を直接つないでスタートさせる方法です。

選択肢4. 巻線形三相誘導電動機の二次抵抗制御は、固定子の巻線に接続した抵抗器の抵抗値を変化させて速度制御するもので、始動時に緩始動ができる。

〇 誤った記述(正解)です。

 

「二次抵抗制御」とは、その名の通り「二次側」の回路に抵抗器をつないで電流をコントロールする方式です。

しかし、選択肢では「固定子(=一次側)の巻線に接続した抵抗器の〜」と説明されています。

正しくは「回転子(=二次側)の巻線に接続した〜」でなければなりません。

選択肢5. かご形三相誘導電動機では、電源回路に抵抗器、リアクトル、サイリスターなどを挿入し、電動機の始動電流を抑えて、緩始動を行う方法がある。

× 正しい記述です。

 

シンプルな構造の「かご形」モーターは、始動時にとてつもなく大きな電流(始動電流)が流れてしまうという弱点があります。

それを防ぐため、電源との間に抵抗器やリアクトル、サイリスター(半導体スイッチ)などを挟んで、電圧を徐々に上げて優しくスタートさせる(緩始動)技術が使われます。

まとめ

巻線形三相誘導電動機には、電気の通り道が2つあります。

一次側: 外側の動かない枠組みである「固定子(ステーター)」の回路。

二次側: 内側でグルグル回る「回転子(ローター)」の回路。

この「二次=回転子」という絶対のルールを頭に入れておきましょう。

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